「カチッ、カチッ」と、出発前の点検で鳴らす指示器の音だけが、まだ眠りの中にある住宅街に響きます。 おはようございます!午前4時43分、今日も相棒のトラックに火を入れ、ハンドルを握っている73歳の現役ドライバーです。
173センチ、60キロ。この年齢にしては少しスリムな体格ですが、冬の朝のキリッとした空気にはこれくらいがちょうどいい。フロントガラスの向こう、街灯に照らされた木々が針金細工のように繊細に見えるこの時間が、私の「思索の書斎」です。
深夜、まだ眠る街を背に、73歳の現役ドライバーがハンドルを握る。窓の外の景色に、そして彼の思索に、世界情勢の地図やグラフ、そして中東の緊張が、静かに重ね合わされていく。

最近、世間では「日本はもうダメだ」なんて声も聞こえますが、配送ルートを走り、刻一刻と変わる現場の空気を感じている私には、別の景色が見えています。実は今、日本の道路の先に、80年ぶりとも言える巨大な「追い風」が吹き始めているのではないか……。そんな実感を、配送現場のリアリティと共にお話ししてみたいと思います。
ガソリンスタンドで給油ノズルを握る時、私は単に「高いな」と思っているわけではありません。じわりと上がる燃料価格は、今まさに地球の裏側で起きているルールの変化を教えてくれます。
毎朝のルーティン、給油所で燃料計の針を見つめる。給油機の画面には、以前は考えられなかったほどの高価格が並ぶ。遠くに響く「中東の嵐」の音と、それによるコストの波が、現場を直撃している。

かつては「1バレル50ドル」なんて時代もありましたが、今はイラン情勢という巨大な霧が視界を遮っています。ドローン一機が数億円のミサイルを無効化するような「新しい戦争」の時代。ホルムズ海峡の緊張は、もはや一時的なものではなく、私たちのコスト構造を根本から変えてしまいました。私たちは今、「安価なエネルギー」という舗装路を終え、「高コスト」という砂利道のハイウェイに足を踏み入れたのです。
「命を削る」スピードと中央銀行のジレンマ
私が担当している「ネットスーパー」の配送。1分の遅れが命取りになるこの現場は、実は世界の中央銀行が置かれている状況と瓜二つです。 荷積みで15分遅れた時、高速道路でアクセルを踏み込むあの「焦り」。しかし、スピードを出しすぎれば事故のリスクが高まる。
世界の中央銀行も同じです。インフレを抑えたいけれど、利上げをしすぎれば景気がクラッシュする。この「スタグフレーション」という名の渋滞の中で、現金の価値は刻一刻と目減りしています。私が日々、配送の「帳尻」を合わせるために知恵を絞るように、世界もまた、出口のない迷路で必死のハンドル操作を続けているのです。
日本に吹く「80年ぶりの追い風」:製造拠点の復活
ここからが、私の血を熱くさせる話です。 かつてのオイルショックが日本車を世界一にしたように、今の中東危機は「日本の技術」を再び主役に押し上げようとしています。
今、世界のトレンドはソフトウェアから、実際にモノを動かす「フィジカルAI(ロボットやドローン)」へと移っています。中国に依存できず、米国がモノづくりを忘れてしまった今、精密なメカニカルエンジニアリングの伝統を守り抜いてきた日本は、西側諸国の「巨大な工場」として熱烈なラブコールを受けています。
私が毎日運んでいるケンタッキーのチキンやモスバーガーの包材。この盤石なサプライチェーンこそが、日本の「足腰の強さ」そのもの。この現場の力があるからこそ、日本は再飛躍できる。そう確信しています。
活気に満ちた物流センター。笑顔のドライバーが、今日も「KFC」や「MOS BURGER」の箱を運び、サプライチェーンを支えている。人手不足を補うAGV(自動搬送車)や物理AIロボット、そして背景に復活した日本の製造工場が、日本の再飛躍を予感させる。遠くには「日経平均」の文字と共に、株価の上昇が Mount Fuji と重なり合っている。

日本株は「超強気」!現場から見える勝機
投資の専門家たちが日本株に「超強気」なのは、彼らが数字を見ているからでしょう。でも私は、営業所で重い荷物を「知恵のパズル」のように積み上げる仲間たちの背中を見て、同じことを感じます。
人手不足? 確かにきついです。でも、その中で磨かれた「ロスタイム帳尻合わせ術」や、現場の創意工夫。この地力が、地政学的リスクという霧が晴れた時、日本をさらなる高みへ連れて行くはずです。
結びに代えて
「73歳でまだ働いているのか」と驚かれることもありますが、私はこう返します。「人生100年時代、日本の未来という目的地へ向かうハンドルを、今離すわけにはいかないんですよ」と。
クリスマス戦線のKFCの狂騒曲や、雪道でのスリリングなハンドル捌き。現場はいつだって戦場ですが、その裏側にあるのは、世界が日本を必要としているという確かな手応えです。
さて、そろそろ出発の時間です。温かいお茶を飲み干し、腰のストレッチを念入りに。 皆さんも、今日という一日の安全運転、どうぞよろしくお願いいたします!

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