73歳のハンドル握り。今日、私の荷台に載ってきた「宝物」

皆さん、こんばんは。 今日も一日、お疲れ様でした。

73歳になった今も、現役の配送ドライバーとして街を走っている私です。 朝、エンジンをかける時の冷えた空気や、重い荷物を持った時に少しだけ鳴る膝の音。「ああ、今日も生きて働いているな」と実感する瞬間でもあります。

この仕事をしていると、時々「大変ですね」「お体に気をつけて」と温かい言葉をかけていただくことがあります。もちろん、体力的にきつい日がないと言えば嘘になりますが、それでも私がこの仕事を続けているのは、荷物と一緒に「誰かの想い」を届けているような気がするからです。

今日、そんな私の心をポッと温かくしてくれた、小さな出来事がありました。

ある住宅街への配達でした。お届け先は、小さなお子さんがいるご家庭。 少し重めの段ボールを抱え、玄関のチャイムを鳴らすと、中からトトトトッという可愛らしい足音が聞こえてきました。

「はーい!」

元気な声とともに扉が開くと、そこには4歳くらいでしょうか、小さな男の子がお母さんの後ろから顔を覗かせていました。

荷物を渡し、受領の印をいただこうとした時です。その子が私の制服の裾をちょんちょんと引っ張って、小さな手を差し出しました。

「はい、おじいちゃん。お仕事頑張ってね」

差し出された手のひらには、折り紙で折られた不恰好な、でも鮮やかな赤色の「手裏剣」が載っていました。

お母さんは「すみません、さっきまで一生懸命折っていたんです。配送のトラックが見えたから、渡したかったみたいで……」と申し訳なさそうに笑ってらっしゃいましたが、私はもう、嬉しくて言葉が詰まってしまいました。

「ありがとう。これでおじいちゃん、100歳まで元気に走れそうだよ」

そう伝えると、男の子は満開の笑顔で「バイバイ!」と手を振ってくれました。

トラックに戻り、助手席にその赤い手裏剣を置きました。 ただの折り紙かもしれません。でも、見ず知らずの私を「おじいちゃん」と呼び、応援してくれる誰かがいる。そのことが、どれほど私の背中を押してくれたか分かりません。

73歳。 世間では「ゆっくり休めばいいのに」と言われる年齢かもしれません。 けれど、こうして誰かの役に立ち、誰かの笑顔に触れられる今の生活が、私はたまらなく愛おしいのです。

私の届ける荷物が、誰かの生活を支え、一瞬の喜びになる。 そして代わりに、私は皆さんから「明日への活力」という宝物をいただいています。

明日の天気はどうでしょうか。

助手席の赤い手裏剣と一緒に、私はまた安全運転で、皆さんの街へお邪魔します。

皆さんの明日も、どうか温かい一日でありますように。

今日という日に、感謝を込めて。

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