20センチの雪道と、駐車場で見えた「社会の縮図」~高齢ドライバーの冬物語~

​寒空の下で見つけた温もり。無愛想なマネージャーが変わった日

今年の冬は、雪との戦いでした。1月にはマイナス気温の中、5センチほどの粉雪が舞い、3月には一晩で20センチもの大雪が積もる。玄関を開けるたびに「今日は無事に帰れるだろうか」と、高齢ドライバーとしての緊張感が背中を走ります。  

​【雪道と格闘する日々】

​1月の雪はサラサラしていて、路面は圧雪状態。幹線道路を避けて走るものの、常にプレッシャーとの戦いです。一方、3月の雪は重く、会社の倉庫の坂道では車が滑り、バックで登り切るのに3回も挑戦しました。そんな過酷な状況でも、私たちは「待っている人」のためにハンドルを握ります。  

​【ふとした瞬間の観察:駐車場の景色】

​配送先のイオンに到着すると、いつも従業員用の駐車場が目に入ります。ふと気づくのは、並んでいる車のほとんどが軽自動車や小型車だということです。高級車はおろか、中級クラスの車さえも見当たりません。

「小売や流通業界の所得水準が、社会の中でどう位置づけられているのか」

同じ商品を売っていても、そこには確かな現実が横たわっている。ハンドルを握りながら、そんな社会の縮図を冷静に見つめるのも、この仕事が教えてくれる視点の一つです。  

​【凍りついた心が溶けた瞬間】

​そんな少し冷めた視線で現場を見ていた私に、驚きの出来事が起きました。

現場には、いつも愛想がなく、荷積みの時もただ傍観しているだけのマネージャーがいます。しかし、あの大雪の日、彼はわざわざ私の運転席までやってきて「雪はどうですか」と声をかけてくれたのです。  

​台車がなくて困っていることを伝えると、彼は一生懸命に探し回り、1台持ってきてくれました。それだけではありません。私が別の場所からもう1台借りて戻ると、なんと彼もさらにもう1台確保して待っていてくれたのです。  

​【結び:冬の終わりに見えたもの】

​無愛想だと思っていた人の心に灯った、温かな変化。それは、雪道の疲れを忘れさせてくれるほど嬉しいものでした。

厳しい寒さや、時にはシビアな社会の現実に直面することもあります。けれど、こうした「人の進化」や思いやりに触れるたび、この仕事を続けていてよかったと思うのです。残りの雪が溶ける頃には、また新しい素敵な変化に出会えるかもしれません。

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